スマートウォッチのセンサーの仕組みと、手首の下側で変わること

スマートウォッチセンサーの仕組み:向きは関係なく、肌接触がすべて - Smartlet
DO

David Ohayon

創業者 & CEO、Smartlet - CentraleSupelec エンジニア - Concours Lepine 2025 受賞 - CES 2026

スマートウォッチを文字盤を下にして手首の下側に着けている人を見ると、1分もしないうちに必ず出てくる質問があります。「そこで心拍数はちゃんと測れるの?」というものです。もっともな疑問であり、よくある2つの答えよりもましな答えに値します。ブレスレットを売る側の明るい「はい」と、センサーの仕組みを一度も調べたことのない人の訳知り顔の「いいえ」です。率直な答えは3つの部分からなります。センサーの物理は、時計がどちらを向いているかに左右されません。それでも、向きよりはるかに重要ないくつかの要因が測定を損なうことがあります。そして、最も普及しているスマートウォッチのメーカーは、自社のセンサーは手首の上側で使うものだと文書で明言しています。この3つは同時に成り立ちます。

重要なポイント
  • 光学式心拍センサーは反射型です。 LEDとフォトダイオードは時計の同じ面に並んでいるため、重力や向きは測定に関与しません。
  • 最大の敵は動きです。 日常生活を24時間記録した研究では、手首の加速度が高まるほど使える信号の割合が下がり、その割合は夜間に最も高くなりました。
  • 次に重要なのはフィット感と接触です。 Appleはセンサーを肌に近づけたぴったりした装着を求め、タトゥーや冷えた肌について注意を促しています。
  • Appleは手首の上側を指定しています。 サポートページには、センサーはそこでのみ機能すると書かれています。
  • モーションセンサーは3軸です。 加速度センサーとジャイロスコープは、設計上あらゆる方向を測定します。

光センサーが実際にしていること

スマートウォッチの裏側で光る緑色のライトは、光電式容積脈波記録法、略してPPGです。LEDが肌に光を送り込み、数ミリ離れたフォトダイオードが戻ってくる光の量を測ります。血液は緑色の光を吸収するため、戻ってくる光の量は脈拍ごとに増減します。時計はそのちらつきのリズムを数えているのです。

鍵となる言葉は「反射」です。光は同じ面から入って同じ面から出てくるので、発光部と受光部はケースバックに隣り合って配置されています。このループのどこにも、空がどちらにあるかを知る要素はありません。手首の上側の時計も下側の時計も、生きた組織に光を当て、跳ね返ってきたものを読み取っています。

これがこの議論の強い形であり、その範囲では正しいものです。ただし、それですべてが説明できるわけではありません。手首の両側では皮膚の下の組織が同じではなく、そもそも向きが誤差の主な原因だったことは一度もないからです。

ひとことで言えば

反射型PPGに上下はありません。あるのは接触、動き、血流であり、この3つが測定値を決めます。

測定を本当に損なうもの

まずは動きです。ドイツの研究チームがスマートウォッチで日常生活を24時間記録し、PPG信号のうちアルゴリズムが実際に解析できた割合を測定しました。平均は1日の71.5%で、個人差は34%から100%まであり、手首がほとんど動かない午前0時から6時までの間は94%を超えました(Merschel et al., JMIR Formative Research, 2022)。手首の加速度が大きいほど、使える信号は少なくなりました。

次は姿勢で、こちらはあまり知られていません。PLOS Digital HealthでPeter Charltonが率いた2025年の研究では、信号品質が最も良かったのは横になった姿勢、最も悪かったのは腕を体の横に垂らして立った姿勢で、信号対雑音比は18.6 dBから9.0 dBへと低下しました。センサーを心臓の高さに保つと改善しました(Charlton et al., PLOS Digital Health, 2025)。覚えておきたい細部があります。この研究は前腕の前面、つまり内側で記録されていました。

そして肌そのものです。Apple自身のガイダンスは、インクが光を遮る可能性のあるタトゥーや、測定できなくなるほど手首の血流を低下させる寒さを挙げています。また、ランニングやサイクリングのようなリズミカルな動きは、テニスやボクシングのような不規則な動きよりも正確に測定できるとも記しています。

  • 手首の動き。日常の装着では群を抜いて最大の要因です。
  • 心臓に対する腕の位置。
  • フィット感:肌から浮いたセンサーは空気を読み取ります。
  • 肌:タトゥー、冷え、低い血流量。

このリストに何が欠けているかに注目してください。時計がどちらを向いているか、です。

手首についてAppleが述べていること

ここは、ブレスレットメーカーとしては飛ばしたい部分です。最も正確な測定値を得るためのページで、Appleは次のように書いています。「また、センサーは、Apple Watchを手首の上側に装着している場合にのみ機能します。」同じページでは、「きつすぎず、ゆるすぎない」フィット感を求め、ワークアウト時にはバンドを締めることを勧め、心拍センサーを肌に密着させておくよう述べています(Apple Support)。

Appleはこの一文の理由を説明しておらず、私たちが代わりに説明するふりをするつもりもありません。手首の下側は皮膚が薄く、腱が表面近くにあり、橈骨動脈も近くを通っているため、光学的な環境は上側とは異なります。異なることは劣ることと同じではありませんが、検証済みであることとも同じではありません。同じ手首の上側と下側で一般向けスマートウォッチを比較した査読付き研究は見つかっておらず、これらの時計について発表されている検証研究は、メーカーが指定する方法で行われています。

結論として

手首の下側に着けても、センサーは同じ物理に基づき、肌との接触とぴったりしたフィット感のもとで機能します。ただしAppleが指定する位置ではないため、そこでの精度をAppleは保証していません。医学的な意味を持つ測定は、メーカーが意図する方法で行ってください。

モーションセンサーとECG

加速度センサーとジャイロスコープは簡単な部分です。どちらもあらゆる方向の加速度と回転を測るよう設計された3軸センサーで、だからこそ時計は角度に関係なく歩行や転倒のパターンを認識できます。文字盤を下に向けても、いくつかの数値の符号が変わるだけで、センサーが捉えられるものは変わりません。

ECGはまったく別の装置です。Apple Watchでは、反対側の手の指でDigital Crownに触れると、背面クリスタルとDigital Crownに内蔵された電極が電気回路を閉じます(Apple Newsroom)。押す必要はありません。記録には30秒かかり、腕はテーブルや膝の上に置いて休ませます。Appleは、時計をぴったり装着し、Watch Appで選択した側の手首に着けるよう求めています(Apple Support)。測定結果の読み方については、別のガイドで解説しています。

時計が手首の下側にある場合、反対側の手でクラウンに触れる動作は少し異なります。それでも重要な指示は変わりません。医師に頼まれてECGを取るのであれば、Appleの手順に厳密に従ってください。

研究で装着された状態での、これらの時計の精度

最も確かなエビデンスは、複数の研究を統合したものです。npj Digital Medicineに掲載されたApple Watchのリビング・システマティックレビューでは、心拍数は基準機器に対して平均バイアス-0.27拍/分、一致限界は-7.19から6.64でした。心房細動については、特異度0.91、感度0.79と報告されています。血中酸素は一致限界が広く、消費エネルギーの誤差はしばしば大きいものでした(Lambe et al., npj Digital Medicine, 2026)。

JACC Advancesに掲載された2025年のメタアナリシスは、26件の研究と17,349人の患者を対象に、スマートウォッチによる心房細動検出の統合値を感度95%、特異度97%とし、PPGによる方法とECGに基づく方法の性能は同程度でした(Barrera et al., JACC Advances, 2025)。

指標統合エビデンスが示すこと出典
心拍数(Apple Watch)平均バイアス -0.27 bpmnpj Digital Medicine 2026
心房細動の検出(Apple Watch)感度0.79、特異度0.91npj Digital Medicine 2026
心房細動の検出(スマートウォッチ統合)感度95%、特異度97%JACC Advances 2025
血中酸素一致限界が広いnpj Digital Medicine 2026
消費エネルギー誤差がしばしば大きいnpj Digital Medicine 2026

ここから2つのことが言えます。安静時の心拍数は非常に優秀で、消費エネルギーは大まかな推測にすぎず、その差は手首の位置とは無関係です。そして、これらの数値はどれも手首の下側に着けた時計から得られたものではないため、上限を示すものであって、あらゆる着け方に対する保証ではありません。

このなかでSmartletが果たす役割

スマートウォッチが何も測定しない最もよくある理由は、引き出しにしまわれていることです。コレクターが朝に機械式時計を着けると、その日の健康データは途切れます。Smartletは、その両方を支えるメタルリンクブレスレットです。機械式時計は上側に、そのウォッチアダプターはバネ棒の代わりにラグ穴に収まり、スマートウォッチは手首の下側、ブレスレットの中央部で肌に触れています。ブレスレットはリンクで手首に合わせてサイズ調整するのでぴったりと収まります。これは上記のすべての情報源が一致する唯一のフィット条件です(セットアップガイド)。

Smartletがしないのは、センサーやそのアルゴリズム、Appleの仕様を変えることです。変えるのは、時計がそもそも装着される時間です。バックグラウンドの心拍数、睡眠、そしてデータに途切れがないときにだけ見えてくるゆるやかな傾向にとっては、その時間こそがすべてです。医学的な影響のある測定では、スマートウォッチを専用のバンドに戻して手首の上側に着け、メーカーの指示どおりに測定してください。

夜はシンプルです。Clasp(クラスプ)アクセサリーが機械式時計の代わりにブレスレットを閉じ、スマートウォッチは睡眠の記録を続けます。トレーニングでは、スマートウォッチをスポーツバンドに戻します。スポーツ向けにつくられたメタルブレスレットはありません。

対応するスマートウォッチはスマートウォッチ互換性インデックスに掲載されており、Apple Watch、Galaxy Watch、Withings ScanWatchには専用ページがあります。機械式時計については、まず時計ブランドの互換性をご覧ください。機械式時計にセンサーを加えるほかの方法はアナログ時計をスマートにできるのか?をご覧ください。

本記事は一般向けスマートウォッチのセンサーの仕組みを解説するものであり、医学的助言ではありません。スマートウォッチの測定値は診断ではなく、症状や通知があった場合は医師に相談してください。

Concours Lepine 2025で銅メダルを受賞し、CES 2026に出展したSmartletは、2本の時計をひとつの手首にまとめます。


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